着物が好きな方、これから着物を着たい方へ
着物にも季節があります
普段着ている洋服に冬用のダウンジャケット、ブーツ、セーターがあるように、着物にも季節に応じた装いがあります。
四季に応じた装いをしている方をお見かけすると「美しい」「粋」だと感心して、私もあんな風になりたいと思うものですが、
ちょっと外した方を見ると少し気恥ずかしいような気がしてしまうことがありませんか?
最近の外国人観光客の中には、とても日本文化にあこがれていて、体験したいという方も増えてきています。
「着物=日本を代表する民族衣装」ということもあり、普段着使いの着物を着ていても、おのずと人の視線を集めています。
観光地で「一日着物を着て巡りましょう」というレンタル着物が流行るのもなんだかわかるような気がします。
このレンタル着物を借りる際にも、「季節の柄」や「着物の種類」を知っていると、ちょっと便利かもしれません。
季節に合った着物の種類とは?
季節 | 着物の種類 | 帯の種類 | |
冬 | 1月 | 袷(あわせ) | 袷用 |
2月 | 〃 | 〃 | |
春 | 3月 | 〃 | 〃 |
4月 | 〃 | 〃 | |
5月 | 〃 | 〃 | |
夏 | 6月 | 単衣(ひとえ) | 麻・羅・単博多帯など |
7月 | 薄物/麻・紗・絽 | 絽・麻・紗・羅など | |
8月 | 〃 | 〃 | |
秋 | 9月 | 単衣 | 袷用 |
10月 | 袷 | 〃 | |
11月 | 〃 | 〃 | |
冬 | 12月 | 〃 | 〃 |
着物の本や、着付の本などでは、表のように季節と着物の種類を説明していることが多いと思います。
ただし、冷暖房の設備があり、気温が高くなってきたので、若干現在の気候とは「ずれ」があります。
晴れ着について言えば、厳密に表のように衣替えしなければいけないというわけではなくなりましたので、ご参考までに。
ではもっとわかりやすいように説明をしていきましょう。
春
袷(あわせ)という着物で、ざっくりいうと裏地がついた着物のことです。
まだ肌寒いこともあるので、羽織や道行といった「ジャケット」がわりのものを羽織っている方もいます。
帯も裏地のある帯を使用します。
夏(6月と9月)
盛夏前、盛夏後の装いで、単衣(ひとえ)を着ます。
袷との違いは裏地が無く、生地も紬などあまり重くないものを着ます。
帯は6月と9月では若干違います。
6月には早めに単の帯を、9月には早めに袷の帯を締め、ちょっと季節を先取りするのが粋となります。
秋と冬
袷を着ます。
これに羽織、道行、コートなど、気候に合わせて着ます。
小物使いも合わせておしゃれに
着物を着るというのは、「季節感を装う」のと一緒です。
その季節に合わせた小物使いができると、一段と「粋」になります。
着物の種類に合わせて、衿の生地を変えたり、帯締めや足袋を変えたりするのも「着物を楽しく着る」上では、重要ですよね。
衿
袷の頃には、半衿は塩瀬という生地を使います。
単衣の時、6月には先取りした装いなので、盛夏と同じ「絽」の生地です。ただし単衣の9月は、また袷の時期と同じ塩瀬です。
足袋
靴下と同じですので、夏にウールの厚地のものを履いていたのでは季節感が出ませんよね。
オールシーズン白い足袋が基本の装いとなりますが、
ちょっとしたおしゃれに夏場は「レース」でさらりと涼しげに、冬場は「ビロード」で温かくというのがおススメです。
最近は柄物のかわいい足袋の種類も増えました。
小さい小物でお洒落を演出するのも着物ならではの体験ではないでしょうか。
草履
夏場は絽の生地の草履や下駄、それ以外はTPOに合わせた高さや生地の草履をおススメします。
まとめ
「季節の装い」を体現する着物、生地や色、柄合わせなど、まだまだ奥深いですよね。
「やっぱり着物は敷居が高い」と思っている方、でも大丈夫。
ポリエステル地やウール地の着物は単衣作りですが、様々なおしゃれ柄などもあり、袷、単衣の時期にいつでも着れる優れものです。
「自宅で洗える着物」もあり、本当に手軽に着物を楽しめますよ。
ぜひ楽しく着物を着てみてくださいね。