着くずれしないで一日過ごすには?
短時間でささっと着物を着て、長時間着くずれせずに過ごすことができたら!と思いませんか?
着くずれしないためには何が必要でしょう。
それは「補正」なんです。
今日は着物を着る上で大切な「補正」についてお話します。
着物は一反の布地から仕立てます
着物の生地の単位を「一反(いったん)」と言います。
巾37cm、長さ12.4m以上です。
洋服と同様、平面の布を縫い合わせることで、着物は仕上がります。
けれど洋服とは決定的に違うところがあります。
それは、「着物はほどいてまた使うことができること」。
着物を洗濯する時に「洗い張り、下手直し」という方法がありますが、これは着物の仕立てを解いて洗い、また仕立て直すというものです。
ではそんな平面から仕立てる着物に合った体型ってどんな体型のことを言うのでしょうか?
着物にとって理想的な体型とは?
着物は洋服とは違って立体裁断されていません。
この平面の組み合わせである着物に合った体型とは?
ズバリ「寸胴(ずんどう)」タイプなんです。
茶筒のような凹凸のない体型のことですね。
つまり、胸が盛り上がっていない、ウェストが細くしまっていない、腰がでっぱりすぎていない、肩が張っていないということです。
え~そんなの嫌だ~!
と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?
洋服の理想的な体型はメリハリがある「ぼん・きゅ・ぼん」ですよね。
けれど着物の場合は、まったく逆なんです。
体型別におすすめの補正方法を
では着物を着る上で理想的な「寸胴(ずんどう)」に近づくため、タイプ別に補正をしてみましょう。
胸が豊かな方
胸元から帯にかけての一番目立つところに、段差が出来ると襟から着くずれしやすいです。
和装ブラを装着し胸ボリュームを抑えましょう。
それでも段差ができるような場合は、薄めのフェイスタオル(または手ぬぐいなど)を胸の下に。
いかり肩
なで肩が理想的な着物のシルエット。
肩の凹凸を軽減するためには、フェイスタオルなどで段差目立たなくする方法も有効ですよ。
フェイスタオルを「V」字の形にして、襟元に。
タオルの厚みが気になる場合は「綿(わた)」をおススメします。
綿の場合は、肌着の上から直接気になる段差を埋めるかんじで置いていきます。
ウエスト
細すぎると帯にシワが寄ったり、着くずれしやすくなります。
補正用ベルトもあります。
おすすめは二つ折り手ぬぐいの中に綿を入れておき、ウェスト部分に巻き、上から腰ベルトや紐(または伊達締め)で固定する方法です。
腰
着物は後姿も重要です。
ヒップが大きくウェストとの差がくっきり段差が付いてしまう場合、逆にヒップが小さくて薄い場合、帯とのバランスが悪くなってしまい、着くずれの原因になってしまいます。
フェイスタオルを二枚、それぞれを二つ折にして、段差部分に。帯にシワもよらずきりっと仕上がりますよ。
補正はどのタイミングですか?
せっかく美しく着物をきたら、補正の線が見えてガッカリ!
そんなことにならないようにしたいですよね。
補正は、肌着を付けた後に行うのがおすすめですよ。
肌着→補正→長襦袢→着物となりますので、着物にひびかずにこっそり補正ができるからです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
胸を強調して、ウェストラインの細さを強調する洋服と違って、着物では、寸胴(ずんどう)なほど、シルエットが美しく、若々しい印象を与えることができるのということがわかりましたね。
その理想的な体型に近づくためにも「補正」がいかに着物を着る上で大切かということがお分かりいただけたのではないでしょうか。