美しい衿元はどうやって?
今日は着物を着る上で大切な「衿元」のお話をします。
皆さんが目にするTV時代劇の「町娘」は、胸元がきりっとして見えませんか?
それは衿に乱れなく、整っているからではないでしょうか。
時代劇の配役では、胸元が整っていると若々しく、位が高い印象があります。
武家の妻女は、みなさん白く清潔な衿元ではありませんか?
長襦袢に半衿をつけてみましょう
では美しくきちっとした着物姿になる準備として、長襦袢に「半衿」をつけてみましょう。
半衿は着物を着る上で、欠かせないものですね。
着物の下に着る長襦袢の衿元に縫い付けます。
最近では「伊達衿」や半衿付きの長襦袢など簡単に装着できるものもありますが、今回はオーソドックスな半衿のつけ方をご紹介します。
準備するもの
長襦袢
着物の下に着るもので、この長襦袢の衿元に「半衿」を縫い付けます。
バイヤス半衿芯
購入する際は、「衿芯」で検索してみてください。
代表的なもので「三河芯」があります。
この芯を長襦袢の衿元に縫い付けておけば、「半衿」の処理がとても楽になりますよ。
バイヤス半衿
夏用では絽の半衿を、その他は「塩瀬」という白い半衿が袷の季節に着用する代表的なものになります。
その他にも「縮緬」「綸子」などの生地もあります。
裁縫道具
まちばりと針、白い木綿糸、白い絹糸、はさみなど
半衿のつけ方
1)バイヤス半衿芯の中心に印をつけ、その中心部分を長襦袢外側の衿部分にのせます。
この時、衿芯は、長襦袢の衿から2~3㎜くらい控えるようにします。
2)背中心、両衿肩あきなど、きちんとまちばりで留めましょう。
3)長襦袢の衿にそって衿芯を外側から「すくい縫い」します。
衿芯はめったなことで外すことがありませんので、衿芯を縫う場合は、丈夫な木綿糸を使用しましょう。
4)今度は内側です。
衿肩あき部分は衿芯を少しつらせるようにして、縫い付けます。
5)衿芯をしっかり縫い付けしたら、次はいよいよ半衿を縫い付けていきます。
その前に半衿の両端からほつれてこないように一目落としで縫って押さえておきましょう。
6)いよいよ半衿です。
先ほど縫い付けた半衿芯の上に半衿をあて、背中心、衿肩あきなどまちばりを打ちます。
その後、絹糸でほんぐけします。
7)半衿を長襦袢の衿幅に合わせて折り返し、ほんぐけします。
特に注意したいところは、衣紋を抜いたときに見える「背中心」部分です。
しわが寄らないように細かくまつり縫いしましょう。
point!衿芯と重ならない部分はどう処理するのか?
衿芯と重ならない部分は、長襦袢の生地に直接縫うので二目落としで縫います。
衿芯も一緒に縫うと固くてなかなか縫えないからです。
上手に縫い上げるコツ
半衿は、汗や化粧汚れなどが付きやすいので、できればこまめに洗いたいものです。
せっかく縫った半衿をほどいて洗うのか~って思いませんか?
でも清潔な半衿こそが着物を活かすのではないでしょうか。
半衿のコツは、「外側はゆるめに、内側は引っ張り気味で縫うこと」です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
着物を着る上で重要な衿元を美しくする「半衿」についてお話しました。
視線の先にある衿元が崩れてだらしない印象にならないために、ちょっとした手間をかけてみましょう。
今回は基本的な「三河芯(バイヤス衿芯)」、「半衿」の順で縫う方法をご紹介しましたが、衿芯さえ縫ってしまえば、「半衿」はクリップで留めるだけでOKといった便利な新商品もあるようです。
半衿だけをつけるものなど、「着物の小物」は常に進化しています。
基本を学んだら、自分なりの工夫をしてみるのも着物の楽しみです。ぜひいろいろ試してみてくださいね。