「こんな時ってどんな着物を着ればいいの?」

着物には、種類があってそのシチュエーションごとにあう着物が決まっています。
親しみ慣れた洋服だとこのシチュエーションにはコレとわかりますが、普段なかなか着ない着物となると…難しい。

「こんな時は何の着物を着る?」のお悩みを解決していきたいと思います。

手持ちのお着物の種類は何ですか?把握しておこう!!

手持ちのお着物って把握していますか⁇

なかなか普段着ない着物なので、どんな着物があるのか?と把握して見える方は少ないかもしれませんね。
ご自身のお着物、親や親せきから着物を借りるにしても、どんな着物があるのかわからないと「こんな時は着物を着よう!」ってなりにくいですね。

黒留袖、色留袖、訪問着、振袖、色無地、付下げ、小紋、喪服と種類があります。

ご自身が持っていない着物の場合には、借りる宛のある方が補えるのか?を把握しておくとイザって時に、慌てずにすみますね。

また、余裕がある場合には着物の道具があるのか?を確認しておくと良いと思います。
多少の差は出てきますが、基本的に必要な着物の道具は同じです。
道具をワンセットわかるようにしておくと、ご自身はもちろん近しい人との貸しあっこも楽になります。

着物に必要な道具は、お祖母様やお母様の着物タンスにあるはず!!
まずは、購入する前に道具がないか?聞いてみると良いと思います。

結婚式への参列

ご自身の新郎新婦との関係は?立ち位置はどうですか?
「新郎新婦との関係」によって、着る着物が変わってきます。

両親や祖父母

新郎新婦のお母様やお祖母様が着る着物は「黒留袖の五つ紋」一択となります。
お持ちでない、親族に借りれない、その場合には、黒留袖をレンタルして参列しましょう。

黒留袖がないからといって、色留袖や訪問着を着るわけにはいかないので注意しましょう。
黒留袖のみ!!OKとなります。

お父様やお祖父様も着物を着るとなると、「黒の紋付き袴」一択となります。
男性の第一礼装になるので、新郎と同格のものになります。(男性は着物の種類が少ない)
着る人は少なくモーニングが一般的です。

姉妹

姉なのか?妹なのか?既婚なのか?未婚なのか?によって、着る着物が変わってきます。

姉(未婚)⇒色留袖、振袖
姉(既婚)⇒黒留袖
妹(未婚)⇒振袖
妹(既婚)⇒黒留袖、色留袖、(最近では紋の入った訪問着を着られる方も)

基本的には、未婚であれば振袖、既婚であれば留袖の5つ紋となります。
既婚=黒留袖はこれ以上染めようがなく、嫁ぎ先にしっかりと馴染んだことを表されていました。

年齢のことを考えて、「未婚だけど振袖はちょっと…」という場合には色留袖を着る方もいるようです。
昔ほど厳格なルールでなくなってるいる最近では、ご家族や先方のご家族様と相談されるのも良いかと思います。

親戚

基本的には、親戚も両親や姉妹と同様のルールとなります。
ですが、最近では地域や会場の格式や雰囲気によっても変わってきているようです。

叔母⇒黒留袖、色留袖、(最近では紋が入った訪問着を着られる方も)
従姉妹⇒色留袖、振袖、(最近では紋が入った訪問着を着られる方も)

友人

友人や会社の関係者となると、黒留袖や色留袖を着ることはありません。

振袖、訪問着、色無地の一つ紋などとなります。
上記と同様に、既婚であれば訪問着、未婚であれば振袖です。
ですが、新郎新婦が後輩にあたる場合に、「未婚の振袖はちょっと」という方もみえると思います。
その場合には、訪問着や色無地の一つ紋も良いと思います。

最近では、着物を持っている方が減ったこともあり、昔ほど厳格なルールに沿って…ということが薄れてきています。
昔(昭和ごろ?)は、嫁入り道具の一つとして一式揃えて持って行くのが当たり前でした。
今は、そんな考えをお持ちのご家庭はグッと少ないと思います。

また、地域によって風習が異なることもあります。
「既婚者は絶対に黒留袖だ!!」「既婚者でも年齢や妹だったりと色留袖でもOK]という地域もあります。
そして、「思い出の着物を着て参列したい」「手持ちの着物がこれしかない」などということもあると思います。

その際には、「この着物で失礼でないか?大丈夫か?」を、親族や式場のプランナーさんに相談するのがオススメです。

両家の顔合わせや結納

最近では結納がグッとへり、ほとんどの方が顔合わせですませる方が多くなっています。
「正式結納⇒略式結納⇒顔合わせ」と、結納は婚約を正式なものとする儀式ですが、顔合わせは両家の交流をメインとするので、より結納より顔合わせの方がグッとカジュアルな席となります。

そして両家の顔合わせや結納の場合には、相手と格を揃えることも大切となります。

ご本人

正式結納、略式結納、顔合わせで着て間違いないのが、振袖となります。
未婚女性の第一礼装が振袖となりますので、振袖が間違いないです。
相手のご両親も喜ばれますよ。

ただ、顔合わせの雰囲気や会場がカジュアルな感じだと、振袖だと格式が高すぎてしまう場合があるので気を付けてください。
その場合には、ワンピースなどの洋装が良いと思います。

ご両親

ご本人が着物を着られても、結納から顔合わせが主流となってきたことでご両親も着物を着る機会が減りました。

正式結納であれば黒留袖ですが、略式結納や顔合わせであれば、訪問着、付下げ、色無地が良いと思います。
その際、両家の格を合わせる必要があるので、色留袖と付下げなどと着物に格差がでないように、事前にお子様に確認してもらいましょう。

着物を着てのお正月詣で

お正月に着る着物は、コレと決まっていません。

洋服と同様に、お正月だからフォーマルなワンピースなど着る方もいれば、普段通りのジーンズという方もみえますよね。
着物も同様に決まりがなく、ご自身がどんな気分でお正月を過ごしたいか?だと思います。
新年の始まりはビシッとした装いで初詣をしたいとあれば振袖でも良いですし、せっかくだし着物を着ようと普段着の小紋を着ても大丈夫です。
手持ちの着物、柄などをご自身の着たい着物を着るのが良いと思います。

実際に、若い女の子が着物で初詣となると、ほとんどが振袖ですね。

そして、正月らしくおめでたい柄や季節の柄、牡丹、鶴と亀、熨斗、松竹梅などを取り入れると素敵です。

1月はとても寒く、神社仏閣は木などが多く日陰になっているところも多くあります。
防寒対策をしっかりとして参拝にいきましょう。

おすすめの防寒対策

◎首回りが広めに空いたヒートテックや肌着の着用
その際には、衿から見えない、長袖であれば少し折るなどして着物の袖から見えないようにしましょう。

◎手袋
ポケットなどもないので、手袋をすると温かいです。
その際には、無地、落ち着いたデザインのものを着用すると良いです。

◎レギンス
スカート上になっているので、足元がスースーと寒いです。
足首まであるレギンスを履いておくと温かいです。

◎ショール
首回りが寒いので、ショールをまくと温かく過ごせます。

◎着物用コートや羽織
お持ちの方は少ないかもしれませんね?
お母様やお祖母様がお持ちで、着物が袖から見えない長さであれば着用出来ます。

入学式や卒業式

入学式と卒業式に着る着物って、「同じ種類の着物でいいんじゃないの?」と思われている方が多いかもしれませんね。
ですが、本来は入学式は「これからお願いします」という立場になるのでお母様は色無地か付下げが一般的。
卒業式はお子様が卒業で主役となるので、訪問着が一般的。

最近では、入学式も卒業式も同じ格の着物を着るのが通例となりつつあります。
色無地、訪問着、付下げと種類をお持ちの方が少ないこともあって、そうなっているのかな?と思います。

また、地域によって入学式も卒業式も訪問着などと、地域によって違うので周辺地域の経験者さんに聞くのがよいですね。

ちなみに、可児市、多治見市などは入学式も卒業式も訪問着が多いようですよ。

七五三

三歳の女の子⇒被布と着物
7歳の女の子⇒お袖の長い着物
3歳と5歳の男の子⇒色が様々な紋付き袴

お子様の七五三の装いってとっても可愛いですよね♪

その際のお母様のお着物は、主役のお子様よりも格を下げるように気を付けましょう。
お子様が洋装なら着物が着たくてもお母様も洋装にしましょう。
お子様が着物の場合は、お母様は洋装でも和装でもどちらでも大丈夫です。

着物であれば、訪問着、付下げ、色無地、フォーマル向けの江戸小紋がオススメです。
レンタルを検討の際には、お子様のお着物の色とのバランスを考えたり、同系色でもOK、似た柄にするなど親子のコーディネートも楽しむのがオススメです。

お宮参り

最近のお宮参りは、「お母様がお子様を抱いて掛け着をかけて」というのを多くみかけます。
ですが、「お母様ではなく父方のお祖母様がお子様を抱いて掛け着をかけて」が本来のお宮参りの正しいカタチです。
産後1か月の母親の体調を気遣ってのことだったそうですよ。

お子様とご両親だけの参加の場合、お母様が着物を着られるのであれば訪問着、付下げ、色無地がオススメです。

ですが、祖父母も参加する場合には、祖父母よりも着物の格が上にならないように気を付けましょう。
祖母が訪問着を着るのであれば、お母様は付下げか色無地など。
昔は、祖母の着る着物は黒留袖が一般的でしたが最近では訪問着、色無地などが多いようです。

地域によっても変わる場合があるので、両家で相談されると良いです。

パーティー

パーティーはどのぐらいの規模、格式、立ち位置によってどの着物がふさわしいか?が変わってきます。
小紋でもOKの時もあれば、訪問着や振袖がふさわしい時もあります。

どんなパーティーですか?まずは、それを把握することが大切です。
小紋じゃカジュアルすぎるし、訪問着や振袖じゃ格式が高すぎるし…
招待されたパーティーだとなおさら、どんなパーティーか把握するのが難しいですよね。

「まったくわからない」という場合には、色無地がオススメです。
色無地はセミフォーマルにあたるので、結婚式、パーティー、入学式も卒業式など幅広く着れるお着物です。
現在は便利な「貼り紋」というものがあるので、その場にあわせて紋の数を調整することも可能となります。

まとめ

着物って難しいですよね。
厳格なルールがあった昔の方が、単純で着る着物に迷いがなく楽でしたね(笑)

現在は、手持ちの着物の種類の少なさ、参加する式の格式などシチュエーションも多種多様となってきています。

着物の色

上記では紹介しませんでしたが、着物の色を簡単にご説明します。

「お祝いごと⇒淡い明るい色」が最適な色となります。
濃い色は趣味の色に近いとされているので、例えば訪問着で濃い色だとパーティー向け、淡い色はパーティーとお祝いごと向けとなります。

購入する際には、濃い色が好み出会っても淡い色をオススメします。

レンタルが便利

最近では、着物をお持ちの方がグッと減っています。
式場でのレンタル、お住まい周辺の衣装屋さん、ネットレンタルなど様々な方法で着物がレンタル出来ます。
最近では、ネットレンタルがとってもお安くレンタル出来るとネットレンタルされる方が増えています。
ですが、ネットレンタルの場合は試着が出来ないというデメリットもあります。
式場や衣装屋さんですと、「どんな着物が良いのか?」と相談できるメリットがあります。

上記でもお伝えしましたが、お祝い事でレンタルされる際には「明るくて淡い色」ご選びましょう。
また、明るい色の方がお写真などその場が華やかになります。