花嫁が幸せになれると言い伝えられている6月の結婚式「ジューンブライド」はもうおなじみですね。

そして着物で挙式する「和婚(わこん)」も人気になってきました。
そのため、この時期の結婚式には着物で出席したいと考えている女性が増えてきているのではないでしょうか?

しかし、結婚式の日は晴れるとよいのですが、着物はしっかり準備できても天気はその日次第。
ぜひ雨支度のことも考えておきましょう。
茶会やさまざまなお出かけに着物で行く場合にも役立ちます。

 

 

6月の和婚は「会場着付け」なら雨でもok

着物 雨 ジューンブライド 着付け

和婚の会場は、何枚も着重ねる花嫁さんや上着を着用する男性に合わせて冷房がよく効いています。

そのため最近の出席者は、一般的には裏地のない単(ひとえ)を着るとされる6月でも、裏地のある袷(あわせ)でかまわないようです。
ただし涼しげな色柄や、薄い色の多いコーディネートにする心配りは必要です。
6月末頃になったら、早めに夏物(絽などの薄物)を着てもいいでしょう。

いずれも会場で着付けをすれば、行き帰りの暑さだけでなく、急な雨も避けられていいですね。
「会場着付け」も雨対策の一つです。

なお花嫁さんと家族の礼装や、出席者の振袖は一年中、重みがあることから袷を着ることが多いようです。
このことから、「ご家族に合わせて袷にする」という考え方もあります。

それならなおさら、暑くて雨の多い時節には「会場着付け」が必要不可欠ですね。

本格的な雨対策が必要な時とは

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着物通の方や、茶道や着付けの指導者など。
着物のルールを守られている方が多く来られる場合には、関係者と相談しながら袷、単、夏物を着わけする必要がでてきます。
そんな場合には、雨対策も本格的なものにすると素敵ですね。

例えば傘は和傘を用意したいところですが、和傘のように見えるものやシンプルなデザインの洋傘を用意してみてはいかがでしょうか。

着物には骨数が多いものや、あるいは少し大型のもの、または色が紫などの無地のものなどが向きます。
そのようなタイプなら洋服にも使えますし、強風を伴う雨天でも安心です。
デザインによっては日傘兼用もできるかもしれません。

そして草履にかぶせる雨カバーは、カバーの底に下駄のような歯状のものが付いているものもいいのではないでしょうか。

地面との間にすき間ができるので、泥はねが影響しにくくなります。

足元の便利な雨支度

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実は草履とは、雨にとても弱いはきものです。

そのため、いい草履をはきたい時ほど、雨対策が重要なのです。
わずかな小雨程度でしたら、雨カバーを草履にかぶせてからはきましょう。

雨が本格的に降ってきたら思いきって、会場に着くまでは「雨に強い別のはきもの」をはくのもアイデアです。

専用の雨下駄や雨用の草履がなければ、浴衣用の下駄で代用するのもいいかもしれません。
底が滑りにくくなっているので安全なのも嬉しいですね。
いっそのこと、晴雨兼用のブーツをはいてしまうのも現代風ですし、実用的でもあります。
これなら豪雨だって安心です。

なお足袋の予備と草履は持参します。
会場に着いたら、足袋を新しいものに変え、草履にはきかえます。

雨コートと、晴雨兼用の初夏コート。

さて雨がかなり降っている時には、着物用の雨コートを着るとさらに安心です。

いわゆるワンピース式と、中の着物に合わせて丈の調節がしやすい二部式とがあります。
どんなタイプにするかよく考えて選び、準備しておきましょう。

なお雨コートは素材にもよりますが、年間を通して着られるものが多いようです。
また携帯用の手軽なタイプなら入手しやすく、万一用に持ち歩くのもラクです。

しかし着物を何回も着ない方…。
わざわざ雨コートを用意するのはちょっとと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

そんな場合は「春から秋まで着られるチリよけコート」を、雨コート兼用になるように用意しておくと晴雨兼用になりとても便利です。
晴雨兼用の日傘と同じ発想ですね。
素材はポリエステルなどの合繊素材か、きちんと防水加工をした絹にしておきます。

急な雨の時の、着物姿の応急処置とは

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それでは最後に、応急処置を頭に入れておきましょう。

今では、着物も帯も防水加工をしておくのが一般的になりましたが、それでも、やはり雨には少しも当てたくないものです。
特に結婚式に出席する時の礼装用の重厚な帯は、大切にしたいものです。
急に雨が降ってきたら、手持ちの風呂敷や大きめのハンカチ、ひざ掛けハンカチなどをさっと背中の帯にかけましょう。