「着物を美しく着るには?」
着物を着るための道具が多いし、着るのって難しいイメージがありますよね。

少しでも、楽にきれいに着れるのがいいですね!!
ぽっちゃり体型の方がより美しく着るためのコツをご紹介致します。

何よりもサイズがあった着物や襦袢を着よう

「親戚から着物をもらった」
「アンティークショップで購入した」
「フリーサイズの着物を買った(ポリ着物)」
「若い時に作ったけど体型が変わってしまった…」

など、ご自身のサイズにあわせて作っていない着物をお持ちの方も少なくないと思います。

「いざ着よう!!」とその前に、「着物のサイズはあっていますか⁇」の確認をしましょう♪

着物は洋風と違って、大切に扱えば何世代にもわたって着ることが出来ます。
そして着物は洋服に比べて、ちょっとぐらいのサイズ違いでも着れるというメリットがあります。

そのイメージもあってなのか、「ちょっと太っただけだからと着れる」とお考えの方が多いと思います。

確かにそうですが…着物にも許容範囲というものがあります。
せっかくの着物なので、少しでも美しく着て欲しい。

「上前を優先にあわせて、下前がどこまで被っていますか?」
通常、上前が右脇(腰の右側面まで)、下前が左脇(腰の左側面まで)、前身頃が2枚の布が重なった状態が正しいサイズでの着方となります。

経験談

以前、東京で仕事をしていた時に、下前が半分まで「右足ギリギリ隠れるかな?」ぐらいのサイズだったので、ワンサイズ大きいものを案内したことがあります。
ですが、「下前が半分まで着ているからこのサイズでいい、いつもこのサイズを着ている」というお客様がみえました。

確かに、ご自身が持ってる着物がそれしかないからと、サイズがあっていないのがわかって着るのなら良いかもしれません。
ですが、そのお客様はその着方が「サイズがあっていない」状態という認識がゼロでした。

正しい着方、サイズを理解したうえで着ましょう(^^♪

バストが大きい方はボリュームを抑えて

着物は胸から帯にかけて、なだらかなカーブ・まっすぐのラインが美しい着物の着姿となります。
ですので当店ではブラジャーは必ず外して頂き、胸巻きで胸のボリュームを抑えたり、補正用のタオルを使用し、美しいラインになるよう整えます。

ブラジャーをつけたまま、胸のボリュームをそのままで着物を着ると、帯に胸がのってしまい、太った印象に見えます。
オススメしません。

自分で着る際には、胸巻きを巻くのは難しいと思います。
その場合には、胸のボリュームを抑えてくれる和装ブラジャーを利用するのも良いと思います。

襦袢にもコーリンベルトを使う

女性の着物の襟は開きすぎるとだらしない印象になってしまいます。

「襦袢がご自身のサイズより小さい」場合には、合わせの布面積が足りなくて、動いていると襟元が開いてきてしまいます。

少しでも襟元が開いてしまうのを抑えるために、コーリンベルトを利用するのがオススメです。

通常コーリンベルトは着物に使用しますが、着物にコーリンベルトがなくても大丈夫なので、サイズがあわない場合には、襦袢優先に使うのも良いと思います。

ご自身で着られる方は、2本あると着るのが楽になると思います。

コーリンベルトを持っていない方は紐の掛け方を変えよう

コーリンベルトが持っていない方もみえると思います。

その場合、サイズが小さい襦袢を着られる方は、胸紐の掛け方を変えてみます。

通常は、胸の下で前⇒後ろで交差⇒前で結びます。
それを、胸の上で前⇒後ろで交差⇒胸の下で結びます。

より、襟元に近いところで結ぶことで胸元が開くのを抑えることができます。

上下別れた二部式の襦袢がオススメ

サイズがあっているものならば、どんなタイプの襦袢でも大丈夫だと思います。
ですが、サイズがあっていない襦袢となると…2部式の方が便利です。

裾除け(襦袢の下)は、上前を優先して巻きスカートのように着ます。
上下つながっているものだと、足回りまできれいに合わさらずに開き気味になってしまいます。

また、身長によって長さを調節しやすいというメリットも!!

襦袢の上は、サイズが小さく胸周りがしっかりと合わさらない場合には、脇線の縫いをほどいて脇を開けた状態にすると、しっかりと襟元を合わせることが出来ます。

上下別々になっているから、上と下でその人の体型にあわせて着やすいです。

購入するなら帯締めや帯は長尺のものを

「おばあちゃんの着物の道具を借りる」方は特に気を付けてくださいね。
昔の、腰紐や帯は最近の者に比べると短いものが多いです。

腰ひもや伊達締めは、最近のものは以前のものに比べると長めに作られているようです。

また、その中でも洋服のように「M、L」とサイズがあるものもあります。
帯締めもMサイズとLサイズとあります。(呉服屋さんによっては取り扱いが異なるかも?)

「大は小をかねる」じゃないですけど、購入するなら長さに気を付けて購入して下さい。
帯も長さが最近のものは、長くなっています。
アンティークショップなどで購入する際には、柄だけでなく長さも気にしてみてくださいね。

道具は足し紐をしておくと便利

一見、腰紐ってすごく長く見えるから「長さが足りない」なんてことは想定していない方が多いと思います。
ですが、腰ひもは2周まいて使用するものなので、「あれ⁈足りない!!」なんてこともあります。

「着物を着る」となったら事前に腰紐の長さが足りるか?を確認し、縫い付けもしくは結びで良いので、足し紐をしておくと当日楽ですよ♪

足す紐は、お持ちの腰紐と同じぐらいの太さで綿の素材がオススメです。
同様に、伊達締めにも足し紐をしておくと便利です。

まとめ

少しの工夫で、着物がとっても楽に着れるんです♪

「おばあちゃんやおかあさんの着物を着る」となると、サイズが合わない場合もありますが…でも、せっかくなら親のを着たいという思いもあると思います。

そして、最近では、着物のニーズを増やそうと安価の着物が多く売られています。
その際には、フリーサイズ、Mサイズ、Lサイズなどと販売されています。

どの着物でも、ご自身のサイズに仕立てたものでなければ、ぴったりということはないでしょう。
そういった際や、新しく購入を検討される方は、少しサイズのことも気にして道具もそろえると良いですね(^^♪