普段着慣れない着物、そしてお袖の長い振袖は動きづらそう…。
でも、大人の仲間入りする成人式には振袖の所作にも気を付けて友人やご家族と過ごしたいですね!!

振袖を着た際に気を付けたいこと、所作をお伝え致します。

お着物を着た際は出来るだけ背筋をピンとする、無理のない範囲で

着付けてもらう時は、自然と背筋を正してピンとした状態となりますね。
ピンとしていた姿勢も、時間がたつと普段の姿勢に戻って…猫背だったり、片足重心で立ったりと着付けてもらったときとは姿勢が変わってきます。

例えば【猫背な方の場合】
着付けてもらっていた時は胸を張ってピンとまっすぐに立っていたのに、疲れて姿勢が猫背になることで前かがみになることで裾が長くなっていまい、地面につきやすくなります。
その状態で歩いていると裾を踏んでしまい、転んでしまうこともあるので注意してください。

着付けの際に意図して姿勢を正す方も見えれば、姿勢を正しているつもりはなくても、順番に着付けて帯まで結ぶと自然と姿勢が正されていく感じがする方も多くみえます。
そして、着物は背筋がピンとしていた方が立ち姿がキレイに見えます。

確かに姿勢よく着物は着た方が美しく見えますが、「長時間着ていないといけない」「普段から腰が痛い」などという方は無理に背筋を正しすぎないように気を付けて下さい。
無理のない範囲内で姿勢を正すことをオススメします。

中には、着物を脱いだ後に「背中が痛~い」となる方がいますが着物が悪いわけではなく、普段姿勢があまりよくなく背筋を使うのでやや筋肉痛気味になる方がいるそうですよ。

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振袖はお袖が長~い!!階段で袖が地面についたり、踏まないように気を付けて

「振袖はお袖が長いので何度も踏んでしまった」というお話しをよく聞きます。
洋服でもそうですが、裾の長いスカートを着ていて歩いていたり、階段を上っていたりして裾を踏んでしまった経験もあるのではないでしょうか?

振袖の動きづらさといえば、やっぱり袖の長さにありますね。
お袖を踏んでしまうと、お袖が脇のところから破れてしまうだけでなく、つまづいて転んでしまったりととても危険‼

階段では「地面につかないよう、踏まないように、必ず右袖と左袖を合わせ重ね、左手にかけて階段の上り下り」をします。
また、上りの際には前傾姿勢になりすぎないように背筋を正して上るように心掛けて下さい。
洋服の長いスカートの時と同様、前かがみになりすぎると裾が長くなってしまうので着物の裾を踏んでしまうということも…。
階段が上りづらい方は、右手で裾を少し持ち上げると上りやすいです。
(足が見えすぎないよう、裾の上げすぎには注意です!!)

座るときは袖と背中にも配慮を‼華やかな帯が崩れないように

成人式では、椅子に座って話しを聞いたり、車で移動したりと椅子に座る機会が多くありますね。
訪問着などの帯結びのお太鼓であれば、背にもたれてしまってもそれほど問題ではありませんが、華やかな振袖の帯結びではそうもいきません。

振袖のような華やかな帯結びの場合には、椅子の背にもたれてしまうとペシャンコに潰れてしまい、ボリュームも華やかさもなくなってしまいます。
華やかな振袖の帯は、せめて成人式が終わり自宅への帰路まではキレイに保ちたいですね。

振袖を着て椅子に座る際には、右袖と左袖を合わせてまとめて持ち、帯が椅子の背につかないように浅く腰をかけます。
お袖は、座った膝の上に置き床に落ちないように注意してください。

椅子には浅く腰を掛けるので、バッグは身体と背もたれの間に置いておくと良いと思います。

慣れない振袖を着て気を付けることがいっぱいで、また、長時間着ると疲れなどで出来ない場合もあると思います。
万が一に備えて、後ろ姿は、早い段階でたくさん写真を撮っておくことをオススメします!!

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トイレでは無理に裾を引っ張らないよう気を付けて!!

本当にたま~にですが、「着物を着たらトイレは行っちゃダメなんですよね」と言われるお客様がいますが…。
そんなことはありません!!着物を着ていても、行きたいだけトイレに行ってください(笑)

洋服に比べると慣れない着物で、トイレに行きにくいことはあると思いますが、やり方さえ覚えて慣れてしまえばそんな難しくはありませんし、トイレに行ったからといって着崩れることもありません。

トイレに行った際には、以下の手順に気を付けて下さいね♪

①左袖と右袖を合わせて、左手にかけます。
②着物を左手で1枚(上前)→右手で1枚(下前)持ちます。
③着物は手に持ったまま、襦袢を左手で1枚(上前)→右手で1枚(下前)持ちます。
④着物と襦袢を手に持ったまま、肌着を左手で1枚(上前)→右手で1枚(下前)持ちます。
⑤着物、襦袢、肌着を右手と左手で持ったらまとめて、上にめくり上げます。
⑥そのままめくりあげたまま手や腕でおさえつつ、用を済ませます。
⑦立ち上がり、めくりげている着物、襦袢、肌着を全てそっと手から離します。
⑧着物が下に落ちたら、軽くその場で足踏みをします。
足踏みをすると着物が少しづつ折り重なってもとの状態に戻ります。
その際きれいにもとの状態に戻らない時は着物、襦袢、肌着を下に引っ張らないようにそっと優しく折り重なるように手で直します。

着物は、長いものを紐を使って自身のサイズにあわせて着付けて行きます。
着物の裾などを引っ張ってしまうと「長くなったり、違うカタチになってしまう」ということもおきてしまいます。
トイレに行った際には、着物を上げたものを無理に下に引っ張って直すことはしないように気を付けてください。

また、トイレに行った際に「振袖の袖や着物の裾先を帯や帯締めに挟み込む」方もいますが、着物が着慣れない方が無理に挟み込むのは気を付けて下さい。
帯や帯締めに無理に挟み込んで、「帯揚げが崩れてしまった、取れてしまった」「帯締めに挟み込んだらゆるんでしまった、飾り結びが解けてしまった」ということもおきてしまう可能性があります。
着慣れている方は、挟み込む位置も熟知していますし、解けてしまっても直すことが出来るので、この方法でのトイレは行きやすいと思います。

トイレに行く際には、慌てずにゆっくりと着物に気を付けてくださいね。

携帯を胸元に入れないで!!バッグにしまうか手に持ちましょう

成人式では久々の友人との再会に、スマートフォンで写真をたくさん撮ると思います。

着物には洋服のようにポケットがないので、バッグから出したりしまったりするのって面倒ですよね。
だからと言って、胸元に入れることはオススメしません。

もともと胸元に何かを入れるととしたら「懐紙」ぐらいです。
携帯は、厚みもあり、重みもあるので着崩れの原因にもなります。
胸元に携帯を挟み込んでしまうと、胸元にゆとりが出来てしまい、だらしない印象にもなります。

成人式の日はお写真を撮ったりと、携帯が大活躍ではありますが、胸元に挟み込まないようにしましょう。

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手を伸ばす時は反対の手で袖口を押さえましょう

手を伸ばして遠いところにある物を取ったり、電車のつり皮を掴んだりすると着物のお袖から腕がたくさん見えてしまいます。
洋服の場合、手首の部分で絞ってあったり、腕にジャストサイズだったりするので、手を上げたからといって二の腕までお袖が上がってしまうなんてことはありません。
その点、着物は腕に対してゆったりとしているので、手を上げると簡単に二の腕までお袖が上がってしまいます。

着物を着ている際には、お袖が上がらないように袖口に片方の手を添えましょう。
振袖はお袖が長いので、手を伸ばして物を取ることは汚してしまう原因の一つにもなりえるので、十分に気を付けてください。

食事の際は、ナプキンやハンカチなどを膝にひいて汚れないように

成人式の日は、振袖を着たまま友人や家族とお食事に行く方も見えると思います。
普段着慣れない着物で食事をするのは、とっても緊張して…普段は汚したりしないのに汚してしまうなんてことも考えられますね。
食べ物や飲み物を頂く際には、振袖のお膝の上にナプキンもしくは手持ちのハンカチをひくようにしましょう。

成人式の日には、タオルハンカチなどではなく大判のハンカチを用意しておくとカバーできる範囲が大きくなるので安心です。

荷物が多い方注意!!バッグを肩掛けにしないように

振袖には、草履バッグセットの小ぶりのバッグをお持ちになる方がほとんどですね。
その小さなバッグだけじゃ足りず、手提げのバッグを別に用意する方もみえると思います。

そういった際に、洋服ではあたり前のように方にかけたりしますが、振袖を着ている際には肩にバッグをかけないようにしましょう。
手提げのバッグなどを肩にかけてしまうと、かけた方の着物が荷物などの重みで着崩れしてしまいます。
そしていくら気を付けていても普段着慣れない振袖で疲れてくると、いつもの癖で自分に慣れ親しんだ持ち方をついしてしまうなんてことも。

成人式当日は、出来るだけ荷物を最小限にとどめておきましょう。
振袖用のバッグは小さいので、お財布も小さな小銭入れにするなどコンパクトにしておくのもオススメです。

車の乗り降りはお尻から

成人式当日は、ご両親に車で送迎してもらう方も多いと思います。
振袖を着た際には、洋服のように足からいれて座ることはしません。

車に乗るときは…

①振袖のお袖をあわせて持ち、座席に腰を降ろします。
②ヘアースタイルや髪飾りが天井やドアの上部に引っかかったりしないよう気を付けて、頭を入れます。
③足を揃え、身体を45度回転させるようにして、足を入れます。

と、腰→頭→足の順番で、車から降りる際には足→頭→腰の順番です。

車に乗っている間も、振袖の帯をつぶさないよう注意しましょう。
助手席でシートを少し倒しておくと帯のための空間が作られやすいですよ。

まとめ

成人式当日は、前日からワクワクして楽しみですね!!
ただ振袖を着るだけでなく、少しマナーも覚えておくと成人式1日が快適に楽しく過ごせると思います。

また、マナーを知らない友人にも「ここ気を付けた方がいいよ」と教えてあげてください。

お袖を踏んでしまい脇の部分が破けてしまう子
小さなバッグに荷物を詰め込みすぎて1日でバッグを壊してしまう子
背にもたれてしまい、帯の形が崩れてしまう子
携帯を胸元にいれてだらしなくみえてしまう子

など、そんな苦い経験をしたハタチの子たちが毎年少なからずいるんです!!

ご自身が結婚するまでは何回でも着ることが出来る振袖なので、マナーを覚えて、長く着られるよう大事にしてあげてくださいね♪